ドル円はアジア市場の流れを受け、112円54銭まで下落。その後パウエル議長の議会証言での発言を受け急反発し、113円70銭まで買われるなど荒っぽい動きを見せる。ユーロドルも1.1382まで上昇した後急落。1.1235近辺まで売られる。株式市場は大幅に反落。既存ワクチンのオミクロンへの有効性が低いとの観測や、パウエル議長の議会証言の内容が嫌気され、ダウは653ドル安。債券はオミクロンを巡る報道から上昇し、長期金利は一時1.41%台まで低下。その後やや上昇し、1.44%台で取り引きを終える。金と原油は下落。

11月ミシガン大学消費者マインド(速報値)    →  61.8

11月消費者信頼感指数              →  109.5

9月FHFA住宅価格指数             →  0.9

9月ケース・シラ-住宅価格指数          →  19.05%

ドル/円  112.54 ~ 113.70

ユーロ/ドル 1.1235 ~ 1.1382

ユーロ/円  127.64 ~ 128.37

NYダウ   -652.22 → 34,483.72

GOLD   -8.70  →  1,776.50ドル

WTI   -3.77  →  66.18ドル
 
米10年国債  -0.054 → 1.444%


本日の注目イベント

■SI ダブルアクションサンダー ペーパーサイズ125mm SI3101P(5804914)
中 11月財新製造業PMI
独 11月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
欧 OECD経済見通し
英 11月製造業PMI(改定値)
■マイン 新匠 T002(4851200)
米 11月ADP雇用者数
米 11月ISM製造業景況指数
シトロエン C4 (初代) 型式:ABA-B55FT|RaceChip GTS (コネクトタイプ)|馬力・トルク向上ECUサブコンピューター|レースチップ
米 11月自動車販売台数
yuco式メソッドEMS2極4極フルセット
Versace Jeans Couture ヴェルサーチ 靴 シューズ ミュール Classic heels - dark blue
加 10月住宅建設許可件数

 足元では、相場を動かすドライバーが「FRBの金融政策の行方」から「オミクロン株」の動向に移った感があります。昨日の午後2時頃、113円70銭前後で推移していたドル円は急速に下げ足を速め、113円03銭辺りまでドル安が進む。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が医薬品メーカー、モデルナのCEOの話を報じたことがきっかけでした。同社のハンセルCEOは、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」について、従来株に対するより既存のワクチンの効果がはるかに弱い見通しを示し、オミクロン株に特化したワクチンをまとまった規模で製造できるようになるまで、数カ月を要するだろうと警告したと伝えました。ドル円が売られると同時に、それまでプラス圏で推移していた日経平均株価も一気に、マイナス圏に沈み、引け値では461円安と、この日の最安値で取引きを終えました。昨日のこの欄でも述べたように、今回発生したオミクロン株についてはまだ分かっていない部分が多く、それだけにネガティブな情報にはすかさずAIが反応して円を買い、株の先物指数を大きく売るといった状況で、やや投機的な動きでもあります。この流れは海外でも続き、NYでは株価が大きく下げ、金利が低下したことでドル円は一時112円54銭まで売られ、10月11日以来となるドル安水準を付けています。

 ただ、ドル円はその後パウエル議長の議会証言での発言を受け急速に値を戻し、113円台を回復しています。注目された議会証言でパウエル議長は、これまで足元で高進するインフレを「一過性」という言葉を繰り返して来たことについて、「インフレ高進という形で恒久的な影響を残さないという意味で、われわれはこの表現を使う傾向がある」と説明した上で、「この言葉を使うのをやめ、われわれが意味するところのもっと明確な説明に努める良いタイミングと思う」と述べ、「一過性」という言葉を使うのを止める時が来たとの姿勢を見せました。この発言を受け、利上げの時期が早まるとの観測から株価がさらに下げ、一時1.41%台まで低下した米長期金利が上昇し、ドル円を押し上げた格好になりました。事前に公聴会での議長の発言テキストが公開されており、そこでは、「このところの新型コロナ新規感染の増加とオミクロン株の発生は、雇用と経済活動に下振れリスクとなるとともに、インフレ動向を巡る不確実性の高まりをもたらした」とあり、「ウイルスに関する懸念が強まれば、対面での勤務の意欲がそがれ、労働市場の前進を遅らせてサプライチェーンの混乱を深めることになる」と記されてあったことから、パウエル氏は利上げにはより慎重な対応を見せるのではといった期待もあり、株式市場関係者の失望をかった面もあったようです。それにしても今回のパウエル氏の「一過性」という言葉を今後使用しないといった説明はサマーズ元財務長官など、「足元のインフレはこれまでとは異なる」と再三警告を与えていたエコノミストなどに対する説明としては不十分であり、タイミングも悪かったように思います。

 上述のように、変異株「オミクロン」を巡っては、その感染力や既存ワクチンの有効性などについてはまだまだデータが揃っていません。モデルナCEOがネガティブな発言をしていますが、一方ではドイツの製薬会社ビオンテックのサヒンCEOは、「既存のワクチンでも重症化を防ぐ効果は恐らくあるだろう」と述べさらに、「パニックにならなくていい。対策は変わらない。3回目のブースター(追加免疫)接種を加速することだけだ」と、ダウジョーンズ通信とのインタビューで語っています。今回の変異種の発生については「楽観視してはいけない」のは当然ですが、一方で恐怖心から「過剰に反応すること」も避けなければなりません。本稿を執筆していて思い出したのが、昨年3月から新型コロナウイルスが急速に感染拡大した際に、この欄で記した言葉です。「人類の英知が必ずコロナに打ち勝つ」という言葉でした。

 FRBの利上げに向けた進展は、現時点では変わっていないようです。2022年春から夏の初めにかけてテーパリングを終え、早ければ6月にも最初の利上げが見込まれます。113円を若干割り込んだところでは3回下げ止まり、「一目均衡表」の有効性を確認したところですが、昨日は112円台半ばまで下げ、これで直近高値からちょうど3円の下落幅になります。現時点では111円90銭前後まで比較的厚めの「雲」が横たわっていて、サポート・ゾーンを形成しています。この「雲」を完全に割り込んだら、トレンド変換を意識しなければならないと思いますが、それまではまだ現状の相場観を維持したいと思います。

 本日のドル円は112円70銭~113円70銭程度を予想します。昨日は予想を大きく外してしまいました。オミクロンを巡る情報がポジティブかネガティブかによって、値が大きく飛んでしまい、特にドルが売られる場合にはそのスピードが速いのが特徴です。気を付けたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)